オンボロ自転車に起きた災難の件(小噺)

日記
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菊池 玲央

唐突だが、オレは家から最寄り駅まで自転車で移動している。今回はその自転車に起きた出来事を書きたいと思う。大した話ではない。というのも題名にある通り小噺なのだから。

普段使う駐輪場は、利用するには登録制であり、それすなわち身分の知れない人は入れない。少なくともオレはそう解釈していた。また、自転車の出入り口は専用のICカード的なものをかざす必要がある。登録者以外も駐輪場内に出入りは可能だが出入り口は狭いため、自転車を持って出る事はできない。それすなわち、単独で自転車を盗もうと思うなら自身の自転車もあればスムーズに犯行することは難しい。従って、そのような行動に出る人はいない。少なくともオレはそう解釈していた。そういうわけで、ここ4年くらいは鍵をかけずに安全性バツグン、信用性に溢れる駐輪場を出ていた。我ながら非常に合理的な判断をしていたと思う。

勘のいい読み手の人なら話が見え始めたのではないだろうか。ある日のことであるが、いつものようにこの某駐輪場に帰ってきたら驚いた事に、自転車に鍵がかかっているではないか。これには柳田先生のキャリアデザインがC評価だった時くらい驚いた。身内ネタでしたね、ごめんなさい。とにかく、戻って来たら鍵がかかっていることに驚くなんて普通ならあり得ないことであるのは間違いないが、非凡な私の場合そんなこともないのである。なぜならその鍵を持っていないのだ。勿論この自転車の周りを見渡したが、どこにも落ちていない。鍵の構造上、人為的な事態であることに間違いないのは確かだった。電話で親に見たままを報告すると、「今日は諦めて大人しく歩いて帰って来い」という無慈悲な宣告を親、改め鬼から言い渡された。非常に非情だと思った。我ながら軽口が止まらない。いや、話が進まないから軽口は置いといておこう。無慈悲だと思ったのもそのはず、その日はイベント設営のバイトで11時間は立ちっぱなし、ないしは何かしらの機材を運んでいたのである。7時過ぎ集合18時解散の予定が、作業が終わらずに終電を聞かれたという見通し激甘の、皆さんご存じ例のバイトだ。次の日から2日間スノボ旅行の予定だったため、朝も早く、さすがに勘弁してほしかった。算数が得意なそこのあなたなら逆算すれば分かると思うが、元々長いバイトで延長もしているのだから、そんな日は徒歩ではなく、当然のこと人類の英知である自転車に乗って帰宅したいと考える。しかし、そんな甘い考えが一瞬にして砕かれたのだ。自業自得な事件による死刑宣告を受けて、言い返す程人間出来ていないわけもなく、「了解、ごめん」と言って酔ってもいないのに、その日は疲労でふらつきながら大人しく歩いて帰った。

衝撃的事件から3日後。オレは2日間スノボで酷使した体で、家からふらつきながら歩いて安全性ガバガバで信用に値しない駐輪場に向かった。家にいくつかあったスペアキーを試すというミッションを鬼から仰せつかっていたためだ。忌まわしい駐輪場に着く。2日も空ければそもそもの自転車が盗まれてしまうという可能性もあったので、鍵が無いことに気づいた時に見つかりっこない程の駐輪場の隅に寄せておいたのが功を奏した。自転車は無事だった。第一段階はクリア。第二段階。いくつかのスペアキーを取り出して手当たり次第に試していく。鍵A、ハズレ。鍵B、ハズレ。鍵C、そんなものはない。スペアキーは2つしか預かっていないのだから。いやもう一つある。鍵A、ハズレ。いやさっきの鍵Aじゃねえか。この2つが何の鍵なのか真相は藪の中だが、とにかく鍵紛失が確定したのだけは確かだった。そうするとオレに出来る事はただ一つ、この自転車を自転車屋まで引っ張っていって鍵をブッ壊すことだけである。そのまま放置もしておけないから。勿論新しく鍵も買う。鍵のない自転車なんて考えられない。誰ですか、鍵のない自転車があってもいいなんて言うのは。ぺこぱの松陰寺だけにしとけよ本当に。時を戻してくれ松陰寺。まあそういうわけで、このオンボロ自転車を自転車屋まで引っ張っていく。道行く高校生に好奇の目にさらされたのは言うまでもない。オレに出来たのは、自転車の後輪を持ち上げる時の高さをできる限り低くして、いかにも普通の自転車を楽に運んでいるというように見せかけることだけである。

駐輪場から体感1キロ離れ、実際は200メートル程離れた自転車屋に着く。自転車屋のお兄さんに事情を説明して、鍵をブッ壊すように要請する。すると「一度見せて下さい」と言うではないか。おおこれは起死回生の復活もあるのか、と考えると、見た瞬間「壊すしかありません」と死刑宣告。お兄さん改め、鬼からそう告げられる。鬼いさん、ってか。おっと油断したらまた軽口が出た。殺すなら一思いに殺して欲しかったなあ、と思いつつ壊してもらうことに同意すると、ペンチを2周り厳つくしたペンチを取り出してきて鍵を壊した。その動画はツイッターに載せているから見たい人は是非見て欲しい。実は動画の最後に小さくて聞こえないくらいの声で「ばいばい」って言っているから。今確認してきたけど我ながら全然聞こえないな。この通り、ツイッターでの録れ高を確保するでもしないとやってられない。今思えば学生証を失くしたのを受けて、理科大に課金して新調したのも、録れ高やネタ話的なことを思えば悪くはないのかもしれない。今後もこのネタは擦り続けることを神に誓おう。お釣りがくるまで擦ってやる。ちなみに新しい鍵は人生初のワイヤーロック型にした。鍵ブッ壊し代と鍵代で合わせて2068円だった。1円単位で覚えている程怒っているわけもなく、単に領収書を写真収めただけだ。この写真は希望があれば、ツイッターかWeivに載せようと考えている。さすがに一生ないと思うが。余談だが鍵ブッ壊し代が500円台で済むとは思っていなかった。こうして、鍵切った自転車に3日ぶりに跨って帰路についた。髪切ったみたいに言うんじゃない。帰路について考えていたのは、4年間も使い倒した、前輪の歪んでいる、右ブレーキが機能しないオンボロ自転車を盗もうとする不届き者なんているのか、ということだった。

 さあ、驚いている読み手も多いんじゃないでしょうかね。普段使う駐~とだった。で2440文字だ。要約すれば「鍵失くしたから鍵壊して新調した」と15文字で済む、落ちのない話。最初の5文字と最後の5文字を抜き出して要約、って国語の試験みたいだね。この記事でオレの妙妙たる文章力を見せたいわけじゃない。妙妙たらないわ、すいません。まあ何が言いたいかって、Weivでは15文字で済むこんなしょうもない記事を長々書いても許されるっていうこと。オレは運営側だから、こんなつまらない話を記事にするんじゃないってリーダーに咎められるかもしれないけれど。

それと、小噺の文字数じゃねえ、ってツッコむのは野暮ですからね。

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